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栃木県の最低賃金が1,125円に|2026年 10月1日から企業が確認すべきポイント

栃木県の地域別最低賃金は、2026年(令和8年)10月1日から1,125円に引き上げられます。

最低賃金というと、「時給で働くパート・アルバイトだけ確認すればよい」と思われることがありますが、そうではありません。 月給制、日給制、歩合給制の従業員についても、賃金を時間額に換算して最低賃金を下回っていないか確認する必要があります。 特に今回の改定では57円の引き上げとなるため、これまで最低賃金を上回っていた従業員についても、あらためて確認しておくことが重要です。 この記事では、2026年10月からの栃木県最低賃金改定について、企業が確認しておきたいポイントを解説します。 この記事では、2026年10月からの栃木県最低賃金改定について、企業が確認しておきたいポイントを解説します。

この記事が向いている方

  • 栃木県内で従業員を雇用している
  • パート・アルバイトの時給を見直したい
  • 月給制の社員が最低賃金をクリアしているか確認したい
  • どの手当を最低賃金の計算に含めるのかわからない
  • 最低賃金改定に伴って雇用契約書や賃金規程を変更する必要があるか確認したい
  • 賃上げに活用できる助成金について知りたい

2026年10月1日から栃木県の最低賃金は1,125円

栃木県の地域別最低賃金は、次のように改定されます。

現行:1,068円
↓
2026年10月1日から:1,125円
引き上げ額:57円

地域別最低賃金は、原則として栃木県内の事業場で働く労働者に適用されます。パートタイマー、アルバイト、臨時、嘱託など、雇用形態や呼称にかかわらず対象となります。

ポイント
最低賃金は、原則として雇用形態にかかわらず適用されます。正社員だけ、パートだけという区別ではありません。

「給与の支払日」ではなく「働いた日」で確認します

最低賃金改定で注意したいのが、いつから新しい最低賃金を適用するのかという点です。

栃木県最低賃金は2026年10月1日に発効します。2026年9月30日までの労働には改定前の1,068円、10月1日以降の労働には1,125円が適用されます。

そのため、給与の締日が月の途中にある会社では、1回の給与計算期間の中に改定前と改定後の期間が混在する場合があります。

給与の締日・支払日だけを見て判断しないことが重要です。
10月1日以降の労働分については、新しい最低賃金を下回らないよう確認しましょう。

時給だけではありません|月給・日給も最低賃金の確認が必要です

最低賃金は時間額で定められていますが、時給制の従業員だけが対象という意味ではありません。

月給制、日給制、歩合給制の場合も、それぞれ時間額に換算して最低賃金以上になっているかを確認します。

時間給制の場合

時間給制の場合は比較的簡単です。

時給 ≧ 1,125円

なお、試用期間中であっても、原則として最低賃金が適用されます。最低賃金の減額特例を適用する場合には、所定の要件を満たしたうえで都道府県労働局長の許可が必要です。

日給制の場合

日給制の場合は、次のように計算します。

日給額 ÷ 1日の所定労働時間 ≧ 1,125円
例:日給8,500円、1日の所定労働時間7.5時間の場合
8,500円 ÷ 7.5時間 = 約1,133円

約1,133円となるため、1,125円を上回っています。

月給制の場合

月給制の場合は、月給額を1か月の平均所定労働時間で割って確認します。

月給額 ÷ 1か月平均所定労働時間 ≧ 1,125円

1か月の平均所定労働時間は、年間の所定労働日数などから計算します。

年間所定労働日数 × 1日の所定労働時間 ÷ 12か月
例:年間所定休日105日、1日の所定労働時間8時間の場合
(365日-105日)× 8時間 ÷ 12か月
= 約173.3時間

この場合、最低賃金1,125円を月額に換算すると、

1,125円 × 約173.3時間
= 約194,963円

ただし、年間所定休日や1日の所定労働時間は会社によって異なります。

また、最低賃金の計算に含められない手当もあるため、単純に「総支給額が194,963円以上だから大丈夫」と判断することはできません。

要注意!すべての手当を最低賃金の計算に含められるわけではありません

最低賃金を確認するときに、特に間違いやすいのが「手当」の取扱いです。

基本給のほか、毎月決まって支払われる職務手当や役職手当などは、原則として最低賃金の対象となる賃金に含まれます。

一方、次のような賃金は最低賃金の計算から除外されます。

  • 精皆勤手当
  • 通勤手当
  • 家族手当
  • 時間外・休日・深夜の割増賃金
  • 賞与など1か月を超える期間ごとに支払われる賃金
  • 結婚手当など臨時に支払われる賃金

たとえば、

「基本給は最低賃金を下回っているけれど、通勤手当を含めれば1,125円を超えている」

という場合でも、通勤手当を最低賃金の計算に含めることはできません。

そのため、給与の総支給額だけを見るのではなく、最低賃金の計算対象となる賃金だけを取り出して確認することが大切です。

最低賃金を下回っていた場合はどうなる?

最低賃金以上の賃金を支払うことは、会社の義務です。

仮に、2026年10月1日以降の賃金が1,125円を下回っていた場合には、最低賃金との差額を支払う必要があります。

「知らないうちに最低賃金を下回っていた」ということがないよう、改定前に確認しておきましょう。

最低賃金法に違反した場合には、罰則の対象となる可能性があります。また、労働基準監督署による是正指導等につながる場合もあります。

最低賃金の引き上げは「対象者だけ」の問題ではありません

最低賃金の改定では、最低賃金を下回る従業員だけを確認すればよいとは限りません。

たとえば、次のような賃金設定だったとします。

パート社員:時給1,070円
経験のあるパート社員:時給1,150円

最低賃金の改定によって1,070円の従業員を1,125円以上に引き上げると、経験のある従業員との賃金差が小さくなります。

そのため、最低賃金に近い従業員の賃金だけでなく、その上位の従業員との賃金バランスについても検討が必要になる場合があります。

また、賃金が上がることによって、社会保険料・労働保険料などの会社負担にも影響する可能性があります。

最低賃金改定を機会に、会社全体の賃金体系を確認してみることをおすすめします。

扶養の範囲内で働く従業員の「就業調整」にも注意

最低賃金が上がると、同じ時間働いていても年収は増えます。

そのため、配偶者の扶養の範囲内で働きたい従業員などから、

「勤務時間を少なくしたい」
「シフトを減らしたい」

といった相談が出てくる可能性があります。

最低賃金改定による賃金の見直しだけでなく、扶養の範囲内で働いている従業員については、今後の働き方について本人の意向を確認しておくことも大切です。

最低賃金改定に向けて会社が今やるべきこと

① 全従業員の賃金を確認する

パート・アルバイトだけでなく、月給・日給・歩合給を含めて確認します。

② 最低賃金に含められない手当を除外する

通勤手当、家族手当、精皆勤手当などを除いたうえで、最低賃金を満たしているか確認します。

③ 必要な場合は10月1日から賃金を改定する

最低賃金を下回る場合には、2026年10月1日以降の労働分について1,125円以上となるよう賃金を見直します。

④ 雇用契約書や賃金規程を確認する

時給や基本給などの金額を直接記載している場合には、労働条件通知書・雇用契約書や就業規則(賃金規程)などの変更が必要になることがあります。

⑤ 給与計算システムの設定を変更する

給与計算ソフトの時給単価なども忘れずに確認しましょう。

⑥ 活用できる助成金を確認する

賃金引き上げとあわせて設備投資や生産性向上に取り組む場合には、業務改善助成金などの支援制度を活用できる可能性があります。

助成金にはそれぞれ要件や申請時期がありますので、賃上げを実施する前に確認することが重要です。

よくある質問

Q1. パート・アルバイトだけ確認すればよいですか?

A. いいえ。最低賃金は、原則として雇用形態にかかわらず適用されます。正社員や月給制の従業員についても、時間額に換算して確認する必要があります。

Q2. 通勤手当を含めれば1,125円を超えます。問題ありませんか?

A. 通勤手当は最低賃金の計算対象となる賃金には含まれません。通勤手当を除いた賃金で確認する必要があります。

Q3. 試用期間中は最低賃金より低く設定できますか?

A. 試用期間中であることだけを理由に、当然に最低賃金を下回る賃金を設定できるわけではありません。最低賃金の減額特例を適用するためには、所定の要件を満たし、都道府県労働局長の許可を受ける必要があります。

Q4. 月給制の場合、総支給額を労働時間で割ればよいですか?

A. いいえ。通勤手当、家族手当、精皆勤手当、時間外割増賃金など、最低賃金の計算から除外する賃金があります。対象となる賃金を確認してから時間額に換算します。

Q5. 最低賃金の引き上げに使える助成金はありますか?

A. 賃金引き上げと設備投資等を行う場合、業務改善助成金などを活用できる可能性があります。対象となるかどうかは会社の状況や賃金額、実施する取組などによって異なりますので、事前の確認が必要です。

まとめ

栃木県の地域別最低賃金は、2026年10月1日から時間額1,125円になります。

今回の改定で企業が特に確認しておきたいポイントは、次のとおりです。

  • 時給者だけでなく、月給・日給・歩合給の従業員も確認する
  • 通勤手当・家族手当・精皆勤手当などを除外して計算する
  • 10月1日以降の労働分から新しい最低賃金を適用する
  • 必要に応じて雇用契約書や賃金規程、給与計算システムを変更する
  • 最低賃金付近だけでなく、他の従業員との賃金バランスも確認する
  • 賃上げを行う前に、活用できる助成金がないか確認する

最低賃金は毎年改定されますが、引き上げ幅が大きくなると、これまで問題がなかった月給者が最低賃金に近づくケースもあります。

「パートの時給だけ直せば大丈夫」と考えず、全従業員の賃金を一度確認しておくことをおすすめします。

最低賃金・賃金改定のご相談について

社会保険労務士法人アシストでは、鹿沼市を拠点に、宇都宮市をはじめ栃木県内の企業様の人事・労務をサポートしています。

「月給者が最低賃金をクリアしているかわからない」

「どの手当を計算に入れればよいかわからない」

「最低賃金改定にあわせて賃金体系を見直したい」

「活用できる助成金があるか確認したい」

といった場合も、お気軽にご相談ください。

最低賃金の確認だけでなく、賃金規程・雇用契約書の見直しや給与計算、助成金なども含め、会社の状況に応じたサポートを行っています。

※本記事は2026年9月時点の公表情報をもとに作成しています。最低賃金は、地域別最低賃金のほか特定最低賃金が適用される場合があります。個別の賃金計算については、実際の賃金項目や労働条件をご確認ください。

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