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【令和8年度版】 鹿沼・宇都宮・栃木の中小企業が今すぐ確認すべき助成金

正社員化・設備投資・育休代替・残業削減の前に知っておきたい変更点を、社労士がわかりやすく解説します。

はじめに〜令和8年度、助成金は「拡充」と「要件変更」が同時に進んだ〜

鹿沼市・栃木県内の中小企業の経営者や総務ご担当の皆さまに、毎年多くのご相談をいただくのが「助成金」に関するお問い合わせです。

「名前は聞いたことがあるけれど、自社に使えるかわからない」「手続きが複雑そうで二の足を踏んでいる」——そんな声をよく耳にします。

令和8年度(2026年度)は、複数の重要な助成金が拡充・改正されました。支給額が引き上がった制度がある一方で、申請コースが再編されたり、新たな要件が加わったりした制度もあります。「使える助成金があるかどうか」は、制度の変更点を把握した上で判断することが重要です。

本コラムでは、鹿沼・栃木の事業主の皆さまに特に関係の深い4つの助成金について、令和8年度の改正ポイントをわかりやすくまとめました。正社員化・設備投資・育休代替・残業削減を予定している場合は、実施前にぜひご確認ください。

 

1.キャリアアップ助成金(正社員化コース)〜重点支援対象者は最大80万円、加算を含めると100万円以上となる場合も〜

 キャリアアップ助成金は、パートや契約社員などの非正規雇用労働者を正社員へ転換した事業主に対して支給される助成金です。厚生労働省の令和8年度予算ではこのコースに1,022億円もの予算が確保されており、政府が人材定着・処遇改善に本腰を入れていることがよくわかります。

令和8年度の最大の注目点:支給額と新加算

令和8年度(2026年度)のキャリアアップ助成金正社員化コースは、以下のように2段階で支給される仕組みです。

 

区分

支給額(中小企業)

1期(正社員化から6か月後)

40万円(全対象者)

2期(さらに6か月後・合計12か月後)

40万円重点支援対象者の場合のみ

合計(重点支援対象者)

最大80万円/人

 
ポイントは「重点支援対象者」かどうかです。重点支援対象者に該当する場合は第2期分も支給対象となり、中小企業では合計80万円になります。重点支援対象者には、
雇入れから3年以上継続して就業している有期雇用労働者
雇入れ3年未満で過去5年間の正規雇用期間が1年以下かつ過去1年間正規雇用の経験がない有期雇用労働者
派遣労働者(派遣先で正社員として直接雇用する場合)・母子家庭の母等または父子家庭の父・人材開発支援助成金の特定訓練修了者
が含まれます。
該当性の判断によって支給額が大きく変わるため、正社員化の前に必ず確認することが重要です。通常の有期雇用労働者(上記に該当しない方)を正社員化した場合は第1期のみの40万円です。

令和8年度新設!「情報公表加算」で+20万円

令和848日以降に正社員転換を行う場合、自社のウェブサイトや厚生労働省の「しょくばらぼ」などのインターネット上で以下3点を公表すると、1事業所あたり20万円(大企業15万円)が加算されます。

・正社員転換制度の概要(手続き・要件・実施時期)

・直近3事業年度の正社員転換の実績数

・直近3事業年度の雇入れから正社員転換までの平均期間・最短期間

公表する場所は自社ホームページでも構いません。正社員化コースの支給要件を満たしたうえで情報を公表した場合に加算申請ができます。情報公表加算20万円と本体80万円で合計100万円となりますが、これに加え正社員転換制度を就業規則に新たに規定した場合の加算(20万円)や多様な正社員制度導入加算(40万円)なども組み合わせることで、さらに上乗せされるケースがあります。

重要:「賃金3%以上引上げ」要件

正社員化コースでは、転換後6か月間の賃金総額を、転換前6か月間の賃金総額と比較して3%以上増額させていることが要件です。基本給・固定手当が主な算定対象となりますが、固定残業手当や通勤手当などは原則算定対象外となります。どの手当を算定に含められるかは、助成金上の算定ルールを踏まえたうえで、就業規則・賃金規程・雇用契約書・賃金台帳との整合性を確認する必要があります。正社員化の前に賃金の整理をしておくことが不支給リスクを防ぐうえで非常に重要です。

正社員転換後に要件を確認すると、助成対象外となる場合があります。転換時期・賃金上昇率・就業規則の転換規定については、正社員化の前に確認することをおすすめします。鹿沼・栃木で長年パートとして活躍しているスタッフを正社員化したい
——そうお考えの経営者の方は、ぜひ転換前の段階でご相談ください。

▶ 厚生労働省:キャリアアップ助成金(公式ページ)

▶ 助成金の申請代行についてはこちら|社会保険労務士法人アシスト

 

2.業務改善助成金〜9月受付開始!条件により設備投資に最大600万円〜

業務改善助成金は、生産性向上のための設備投資を行い、かつ事業場内の最低賃金を一定額以上引き上げた中小企業に対して、その費用の一部を助成する制度です。POSレジの導入、勤怠管理システム、省力化機械、専門家によるコンサルティング費用などが対象となります。

令和8年度の大きな変更点:コース再編と申請時期

令和8年度は制度の構成が大きく変わりました。まずコース数が以下のように再編されました。

 

項目

令和7年度まで

令和8年度

コース体系

30円・45円・60円・90円(4コース)

50円・70円・90円(3コース)

申請受付開始

4月頃

令和891日〜

申請期限

年度内

地域別最低賃金発効日前日または令和81130日のいずれか早い日

対象事業場

地域別最低賃金との差額50円以内

改定後の地域別最低賃金を下回る事業場(対象範囲が変更)

 

30円コース・45円コースが廃止されたことで、最低でも50円の賃金引き上げが必要になりましたが、その分助成上限額も引き上がっています。たとえば従業員10人以上の事業場で90円コースを申請した場合、最大600万円の助成を受けられます。

生産性要件は引き続き廃止

以前は「生産性が年6%以上向上した場合に助成率アップ」という生産性要件がありましたが、令和7年度に廃止され、令和8年度も引き続き廃止が維持されています。助成率は事業場内最低賃金の水準のみで決まる、シンプルな仕組みになっています。

 

事業場内最低賃金

助成率

1,050円未満

助成対象経費の4/580%

1,050円以上

助成対象経費の3/475%

 

なお令和8年度は、賃金を引き上げる対象労働者について、週所定労働時間が20時間以上の雇用保険加入者(雇用保険被保険者)に限定されています。短時間のアルバイトが多い事業場では対象者の確認が必要です。また、対象となるのは雇入れから6か月以上経過した方に限られます。

業務改善助成金は予算の範囲内での交付となるため、申請期間内であっても予算上限に達した時点で受付が終了する場合があります。令和8年度は91日から受付開始予定で、申請期限は地域別最低賃金の発効日前日または11月末のいずれか早い日と、期間が非常に短くなっています。

見積書の取得、導入設備の選定、賃金引き上げの計画を今から準備しておくことが、スムーズな申請と交付決定につながります。「9月になってから考えよう」では間に合わない可能性が高いため、早めの準備をお勧めします。

設備の発注後では助成対象外となる可能性があります。POSレジ・勤怠管理システム・省力化設備などの導入を検討している場合は、見積取得・発注前の段階でご相談ください。

▶ 厚生労働省:業務改善助成金(公式ページ)

▶ 助成金の申請代行についてはこちら|社会保険労務士法人アシスト

 

3.両立支援等助成金〜育児・介護との両立支援が手厚くなった〜

仕事と家庭の両立を支援する制度を導入した事業主を支援する助成金で、特に従業員の定着・採用力向上に課題を抱える中小企業に活用していただきたい制度です。令和8年度は拡充と要件変更が混在していますので、ポイントを整理します。

育休中等業務代替支援コース:最大81万円に拡充

育休中等業務代替支援コースは、育児休業取得者や育児短時間勤務者の業務を代替する労働者に手当を支給した場合、または代替要員を新規雇用・派遣受入した場合に活用できる助成金です。令和8年度は、新規雇用で代替期間が1年以上の場合の区分が新設され、最大支給額が67.5万円から81万円へ引き上げられました(プラチナくるみん認定事業主は99万円)。育休取得の促進とともに、残業負担を減らす体制づくりにご活用ください。

柔軟な働き方選択制度等支援コース:要件が厳格化

柔軟な働き方選択制度等支援コースは、育児期の従業員が利用できる柔軟な働き方に関する制度(始業時刻等の変更・テレワーク・短時間勤務の柔軟化・保育サービス費用補助・養育両立支援休暇など5種類)から3つ以上導入し、対象労働者が実際に制度を利用した場合に対象となる助成金です。令和8年度からは、障害のある子・医療的ケアが必要な子を持つ労働者を対象に制度利用期間を18歳の年度末まで延長した場合に20万円が加算される措置も追加されました。

なお「制度を導入するだけ」では受給できません。対象労働者が実際に制度を利用したことが要件となっている点に注意が必要です。

育休取得予定者がいる場合は、代替要員の確保や業務代替手当の設計を早めに検討することで、助成金の活用可能性が広がります。まず現状の就業規則と育児介護休業規程などを確認しておくことをおすすめします。

▶ 厚生労働省:両立支援等助成金(公式ページ)

▶ 助成金の申請代行についてはこちら|社会保険労務士法人アシスト

4.働き方改革推進支援助成金〜残業削減・休暇取得促進・勤怠管理システム導入に活用〜

働き方改革推進支援助成金は、生産性を向上させながら、時間外労働の削減・週休2日制の推進・勤務間インターバルの導入など、働き方改革に取り組む中小企業を支援する助成金です。

令和8年度は制度が拡充され、労務管理用ソフトウェア・勤怠管理システムの導入・更新、外部専門家によるコンサルティング、就業規則・労使協定の整備なども助成対象となっており、働き方改革に向けた取組を検討しやすくなっています。令和8413日から全5コースの申請受付が始まっています。

令和8年度の主な変更点

令和8年度は以下の点が新設・拡充されました。

「取引環境改善コース」が新設:荷待ち時間の削減や取引慣行の見直しなど、運送事業者と荷主が連携して労働環境を改善する場合に活用できる新コースです。

割増賃金率引上げ加算の新設:時間外労働の割増賃金率を引き上げた場合に加算措置が受けられます。5%以上引上げで+25万円、50%引上げで+100万円が上乗せされます。

賃金引上げ加算の拡充5%の賃上げに対する上限額が令和7年度の240万円から令和8年度は480万円へ大幅に増額されました。

対象業種の拡大:業種別課題対応コースに「情報通信業」「宿泊業」が新たに追加されました。

■ 5つのコースと対象

働き方改革推進支援助成金には以下の5コースがあります。自社の業種・課題に合ったコースを選択することが重要です。

 

コース名

主な対象・内容

業種別課題対応コース

建設・運送・病院等・情報通信・宿泊など特定業種の時間外労働削減支援

勤務間インターバル導入コース

終業から次の始業まで一定の休息時間を確保する制度の導入支援

労働時間短縮・年休促進支援コース

時間外労働の削減や有給休暇の取得促進に向けた取り組みへの支援

取引環境改善コース(新設)

運送事業者と荷主の連携による荷待ち時間削減・取引慣行の見直し支援

団体推進コース

事業主団体が構成員の中小企業に対して改善に取り組む場合の支援

 

栃木・鹿沼の建設業・運送業・病院等・宿泊業などに携わる事業者の皆さまには特に活用しやすくなった年度です。申請受付期限は令和81130日(予算上限に達した時点で受付終了の場合あり)ですので、早めにご検討ください。

▶ 厚生労働省:働き方改革推進支援助成金(公式ページ)

▶ 助成金の申請代行についてはこちら|社会保険労務士法人アシスト

 

助成金を活用する上で押さえておきたい注意点

助成金は返済不要の公的資金ですが、申請にあたっては正確な要件確認と書類準備が欠かせません。よくある落とし穴をご紹介します。

  • 就業規則・労働条件通知書の整備が前提:助成金の多くは、就業規則が適切に整備されていることが受給の条件です。まず自社の就業規則を確認しましょう。
  • 申請期限の厳守:申請期限を過ぎると一切受給できません。特に業務改善助成金は9月の短期間に集中するため注意が必要です。
  • 「交付決定前」の設備購入はNG:業務改善助成金など、交付決定が下りる前に設備を購入してしまうと助成対象外となります。必ず決定通知の受領後に発注してください。
  • 不正受給の厳格化:助成金の不正受給が発覚した場合、5年間の申請制限・返還・加算金の支払い等の厳しいペナルティがあります。要件の正確な理解が重要です。
  • 複数助成金の組み合わせ活用:キャリアアップ助成金と働き方改革推進支援助成金など、複数の助成金を組み合わせて活用できる場合があります。ただし、同一の取組や同一経費については、併給調整により重複して受給できない場合があるため、事前確認が必要です。

専門家と一緒に進めることで、要件の見落とし、申請期限の失念、就業規則・賃金台帳・出勤簿の不整合といったリスクを減らしやすくなります。

Q&A

就業規則が古いままですが、助成金は申請できますか?

助成金申請には、最新の法改正に対応した就業規則が必要です。当法人では、助成金の要件を満たすための就業規則の見直し・作成からサポートしております。

パート社員を正社員にする予定ですが、どのタイミングで相談すればよいですか?

必ず「正社員へ転換する前」にご相談ください。転換後に賃金引上げ要件などを満たしていないことが判明した場合、助成金は一切受給できなくなってしまいます。

業務改善助成金を利用して、パソコンやタブレットを購入できますか?

原則として、パソコンやタブレットなど汎用性の高い機器は助成対象外となります。ただし、特定の業務システム(POSレジ等)の専用端末として組み込まれている場合などは認められるケースもありますので、事前にご相談ください。

複数の助成金を組み合わせて活用することは可能ですか?

可能な場合があります。ただし、同じ取組や同じ経費に対して複数の助成金を受給することはできない(併給調整)ため、専門家による事前の計画立案が非常に重要です。

助成金の申請手続きだけをお願いすることはできますか?

はい、可能です。当法人では、助成金の申請代行はもちろん、給与計算のアウトソーシングや労務相談とセットになった包括的なサポートプランもご用意しております。貴社の状況に合わせて柔軟に対応いたします。

まとめ〜令和8年度は助成金の「使い時」〜

令和8年度の助成金改正を振り返ると、国が企業に求める方向性が明確に見えてきます。それは
「非正規から正社員へ」「賃金を上げる」「生産性を高める設備投資をする」「仕事と家庭が両立できる職場を作る」
という流れです。

これらはまさに、鹿沼・栃木の中小企業が今まさに取り組んでいる、あるいは取り組もうとしている課題ではないでしょうか。助成金は、国の雇用政策に沿った取り組みを行う企業を資金面から後押しする制度です。

ただし、助成金は制度を知らなければ活用の機会を逃してしまいやすい制度でもあります。要件の読み違いや書類ミスで受給できなかったというケースも少なくありません。当事務所では、鹿沼市を中心に栃木県内の中小企業の皆さまの助成金申請を、就業規則の整備から申請書類の作成・提出代行まで一括でサポートしています。

「正社員化を予定している」「設備投資を検討している」「育休取得予定者がいる」「勤怠管理システムを導入したい」「残業を減らしたい」といった場合は、実施前の段階で助成金の対象可能性を確認することをおすすめします。

まずはお気軽にご相談ください。

▶ 無料相談・お問い合わせはこちら|社会保険労務士法人アシスト

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令和8年度助成金について、無料セミナーを開催します

令和8年度 助成金活用セミナー

開催日時

令和8715日(水)

開催形式

会場開催(対面) 
詳細は別途ご案内

対象者

鹿沼市・栃木県内の中小企業経営者・総務担当者の方

参加費

無料

主な内容

・令和8年度 助成金の最新動向と改正ポイント解説

・自社に活用できる助成金の見つけ方

・申請で失敗しないための実務ポイント

・個別相談タイム(参加者の方からの質問にお答えします)

主催

社会保険労務士法人アシスト

 

「自社に使える助成金があるか知りたい」「申請手続きのサポートをしてほしい」という方は、セミナー後の個別相談も受け付けております。お席に限りがありますので、お早めにお申し込みください。

お申し込みフォームはこちら

監修者

増渕 裕美(特定社会保険労務士/社会保険労務士法人アシスト 代表社員)

給与計算・人事労務DXに強い社労士として、宇都宮市、栃木市、日光市、鹿沼市を中心に200社超の企業様をご支援しております。手続き代行だけでなく、給与計算、人事労務DX、助成金活用、労務相談までワンストップで対応。製造業・建設業・医療・ITをはじめ、累計30業種以上の企業様の人事労務体制づくりをサポートしています。

※本コラムの内容は令和85月時点の情報に基づいて作成しています。助成金の詳細・最新情報は
厚生労働省公式サイト(https://www.mhlw.go.jp)または当事務所までお問い合わせください。

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